「早くして」を何回言っても動かない。優しく言っても、強く言っても、結局言うことを聞いてくれない。そんな毎日に、心がすり減っていませんか。
実は、子どもが言うことを聞かないのは、あなたの言い方が下手だからではありません。10人中8人くらいのママが、同じことで毎日イライラしていたりするくらい、ありふれた悩みなんです。
わたしは元保育士で、8年間で200人以上の子どもを担当してきました。それなのに、自分の息子には毎朝怒鳴ってしまっていた時期があります。「プロなのに」と、夜にひとりで落ち込む日もありました。
でも、ある「順番」を変えただけで、怒鳴る回数がぐっと減ったんです。この記事では、子どもが言うことを聞かないときに、イライラを抱えたママでも今日から試せる対応法を、具体的にお伝えしますね。
なぜ子どもは言うことを聞かないのか

まず知ってほしいのは、子どもが言うことを聞かないのには、ちゃんと理由があるということ。「わざと困らせている」わけではないんです。ここを誤解したまま声をかけ続けると、お互いつらくなってしまいます。
「聞こえていない」ことが意外と多い
大人は同時にいくつものことを考えられますが、子どもは目の前のひとつのことに夢中になると、周りの声が本当に耳に入らなかったりします。
テレビを見ているとき、おもちゃに集中しているとき。そこへ後ろから「早くしなさい」と言っても、音としては届いていても、意味として処理されていないことが多いんです。
これは聞き分けが悪いのではなく、子どもの脳がまだ「切り替え」を苦手としているだけ。3〜6歳くらいの子では、ごく自然な反応です。だから声をかける前に、まず子どもの視界に入ること。これだけで反応が変わったりします。
保育の現場でも、遠くから指示を飛ばす先生より、しゃがんで目を合わせてから話す先生のほうが、子どもがすっと動いてくれていました。
「やりたくない理由」が子どもなりにある
もうひとつ。子どもには子どもなりの「今これをやりたくない理由」があったりします。
遊びが途中で終わるのが嫌、次に何があるか分からなくて不安、ただ眠くて機嫌が悪い。大人から見ると小さなことでも、子どもにとっては立派な理由なんです。
その気持ちを無視して「いいから早く」と押し切ると、子どもは「分かってもらえない」と感じて、ますます動かなくなります。逆効果のループに入ってしまうんですね。
「言うことを聞かない」と感じる時期は、子どもの自我が育っている証拠でもあります。自分の意思が芽生えているからこそ、大人の指示に「待って」と立ち止まれる。困った行動の裏に、成長のサインが隠れていたりします。
イライラして怒鳴る前に試したい声かけの基本

子どもが言うことを聞かないとき、つい声が大きくなってしまう。その気持ち、痛いほど分かります。でも、怒鳴る一歩手前で「順番」を変えるだけで、結果が変わることがあるんです。
命令より「予告」が効く
いきなり「やめなさい」「行くよ」と言われると、子どもは心の準備ができません。
そこで使ってほしいのが「予告」。「あと5分で出かけるよ」「時計の長い針が6になったらお片付けね」と、先に伝えておくんです。
子どもは見通しが立つと、ぐっと動きやすくなります。突然の命令には反発しても、予告された約束には案外すんなり応じてくれたりするんですね。
遊んでいる最中にいきなり「もう時間!早くして!」と命令する。子どもは心の準備ができず、かえって動きが固まってしまう。
「あと10数えたらおしまいにしようね」と予告する。カウントダウンを一緒に楽しめば、終わりの合図がゲームのようになる。
「ダメ」を「こうしよう」に言い換える
「走っちゃダメ」「触らないで」という否定の言葉は、実は子どもの頭に残りにくかったりします。「走る」「触る」というイメージだけが先に浮かんでしまうからなんです。
そこで、否定ではなく「してほしいこと」を伝えてみてください。「走っちゃダメ」より「歩こうね」。「触らないで」より「手はおててつなごう」。
言い換えるだけで、子どもは何をすればいいかが分かり、行動に移しやすくなります。叱られた感も減るので、ママの気持ちも少し軽くなるはずです。
このあたりは子どもへの叱り方で逆効果になる4つのNG言葉とすぐ使えるコツでも詳しくお伝えしているので、あわせて読んでみてくださいね。
子どもが言うことを聞かないときの具体的な対応法5つ

ここからは、毎日の場面ですぐ使える具体的な対応法を5つ、お伝えしますね。全部やろうとしなくて大丈夫。今日はひとつだけ、試しやすいものから始めてみてください。
場面別ですぐ使える5つの対応
朝の支度、お片付け、お風呂、寝る前。子どもが動いてくれない場面は、だいたい決まっていたりします。その場面ごとに、効きやすい声かけを用意しておくと、ママの心の余裕が変わります。
- 目を合わせてから話す(視界に入って、短く伝える)
- 命令の前に予告する(「あと5分でね」と見通しを与える)
- 「ダメ」を「こうしよう」に言い換える
- 選ばせる(「赤い服と青い服、どっちにする?」で主体性を引き出す)
- できたら必ず言葉にする(「自分で着替えられたね」と事実をほめる)
特に4つ目の「選ばせる」は、効果が大きかったりします。子どもは「やらされる」のは嫌でも、「自分で選んだ」ことには素直に動けるんです。着替えも歯みがきも、小さな選択肢を添えるだけで、ぐっとスムーズになります。
それでも動かないときの最終手段
あれこれ試しても、どうしても動かない日もあります。そんなときは、無理に言葉で動かそうとせず、行動を一緒にやってしまうのもひとつの手です。
「一緒にお片付け競争しよう」「ママと手をつないで行こう」と、体を添えて動き出すきっかけを作る。言葉だけで届かないときは、体を使ったサポートが効いたりします。
それでもダメな日は、もう「今日はそういう日」と割り切ってOK。毎日100点を目指さなくていいんです。ママが倒れてしまっては元も子もありませんから。
「言うことを聞かせよう」とすると力が入ってしまいます。目指したいのは「動きやすくしてあげる」こと。主導権を奪うのではなく、子どもが自分で動けるように背中をそっと押す。この視点に変えるだけで、声かけがやわらかくなります。
怒鳴ってしまったママの心を軽くする考え方

ここまで読んでも、「分かってるけど、どうしても怒鳴っちゃう」という日はあると思います。わたし自身がそうでした。だからこそ、最後にママの心を守る話をさせてください。
怒鳴ってしまう自分を責めなくていい
怒鳴ってしまった夜、自己嫌悪で眠れなくなる。そんな経験、ありませんか。
でも、怒鳴ってしまうのは、あなたがダメな親だからではありません。それだけ毎日真剣に子どもと向き合っている証拠なんです。どうでもいい相手には、人は本気で怒ったりしませんから。
大切なのは、怒鳴った後。「さっきは大きい声出してごめんね」と一言伝えられれば、それで十分です。子どもは、完璧なママより、間違えたら謝ってくれるママを信頼します。仲直りできる関係こそ、何よりの財産なんです。
毎日怒鳴ってしまって苦しいときは、毎日怒鳴ってしまうママへ。子どもへの声かけを変える5つのコツもそっと寄り添ってくれるはずです。
ママの余裕が一番の声かけになる
結局のところ、どんなテクニックよりも効くのは、ママ自身に少しの余裕があること。
余裕がないと、同じ言葉でもトゲが出てしまいます。逆に、心がゆったりしていると、子どもの「動かない理由」にも気づけたりするんですね。
だから、自分を後回しにしすぎないでください。5分だけコーヒーを飲む、夜にひとりの時間をつくる。そんな小さな休息が、明日の声かけをやさしくします。子どもがなかなか言うことを聞かないと感じる日ほど、まずママが深呼吸を。それが、遠回りに見えて一番の近道だったりするんです。
動いてくれないときの声かけにもう少しバリエーションが欲しいときは、子どもが動かないとき試してほしい声かけの魔法の言葉4つものぞいてみてくださいね。
まとめ

子どもが言うことを聞かないのは、あなたのせいではありません。子どもの成長の途中で、誰もが通る道なんです。少し関わり方を変えるだけで、毎朝のイライラはきっと軽くなります。
- 子どもが聞かないのは「聞こえていない」「やりたくない理由がある」から
- 命令より「予告」、「ダメ」より「こうしよう」が効く
- 目を合わせる・選ばせる・できたらほめる、を場面ごとに使う
- 怒鳴ってしまっても、後で謝れる関係が一番大切
- ママの余裕こそ、どんなテクニックより効く声かけになる
今日はひとつだけでいいんです。明日の朝、子どもの目を見て、しゃがんで話しかけてみてください。小さな一歩が、親子の朝を少しずつ変えていきます。あなたと、あなたのお子さんの毎日が、もっと笑顔でありますように。
うちの子は、なぜ言うことを聞いてくれないの?
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